大学院生の声

医学系研究科(M1) S.N.さん

「ある意味、怖いもの知らず」

「ある意味、怖いもの知らず」という言葉は、臨床経験のないまま大学院への進学を決めた自分をそのままに表していると思います。  私は、本学の医学部看護学科を卒業後、ストレートで大学院に進学しました。進学の動機は、循環器疾患を患う身内の存在や、臨地実習で患者さんとの関りから、「看護」という領域をもっと違う角度から見てみたい、という思いが芽生えたからです。言うなれば、好奇心に突き動かされるように決めた更なる進学ですが、振り返れば、臨床経験がないまま大学院へ進学するということは、ある意味、無謀な選択だったのかもしれません。しかし、その「怖いもの知らず」な一歩が今の自分の原点になっているように感じています。  大学院での学びは、学部で身につけた知識や経験を土台に、より深く、そして広い視点から「看護」を捉え直す機会の連続です。講義やゼミのディスカッションでは臨床経験豊富な同級生や先生方と意見を交わすことも多く、その度に自分の視野の狭さや考えの甘さを痛感します。一方で、自分とは異なる背景や視点を持つ方々と対等に学びあえることは、進学しなければ得られない非常に貴重で刺激的な経験であり、私にとってかけがえのない宝物です。
ありがたいことに勉強会や学会に参加する機会にも恵まれています。参加するたびに自身の知見や関心の幅が広がり、新鮮な視点と出会うことで、まるで新しい扉が開かれるような感覚を得ています。このような経験を重ねながら、先生方や家族をはじめ、多くの方々からの温かいご支援のもと、大学院生としての一歩一歩を大切に歩んでいます。
確かに私には臨床経験がありません。ゆえに、現場で培われた知見や思考に圧倒されることも少なくありません。しかし、臨床経験がないからこそ持てる柔軟な視点や「なぜ?」「どうして?」という純粋な問いを大切にする姿勢は、時に新しい気づきや視点を生む原動力になると私は信じています。自分の未熟さを受け入れながら、だからこそ学び続ける姿勢を大切にしています。
臨床経験がないからこそ見える視点を「私にしかない強み」として、これからも学び、挑戦し続けます。

 

医学系研究科(D1) F.M.さん

「社会人経験を経ての大学院生活」

私は大学卒業後、附属病院の手術室で約4年間勤務しました。その経験を通じて、健康や予防に関する政策的な視点に興味を持ち、大学院修士課程で公共政策を学びました。その後、公務員として働く中で、人々の健康に寄与する政策とは何か、またその実践における課題について、国の視点から学ぶ機会を得ました。

現在は医療機器メーカーの学術部門で、産官学の共同研究支援や学術PRなどに携わっています。業務を通じて、人々の健康に資するアイデアを国の施策に反映させ、社会実装できれば、より多くの人々に貢献できるのではないかと考えるようになりました。そこで、自分自身でも臨床研究に取り組み、さらに深く学びたいと思い、博士課程への進学を決意しました。

博士課程では、修士課程とは異なり統計解析などの専門的な知識が求められるため、毎日が新しい学びの連続です。会社員としての業務と並行して学生としての課題に取り組む日々ですが、中国体彩票app官方下载ではオンライン授業も充実しており、働きながら学べる環境にとても感謝しています。

10年ぶりの学生生活を送る中で、臨床現場や看護実践に関する最新の情報に触れ、「浦島太郎」のような気分になることもありますが、授業を通じて自分で考える機会を得られることは、非常に貴重な体験だと感じています。これから始まる博士後期課程の3年間、しっかりと学び、研究に取り組んでいきたいと思います。